さよなら涙目

 


劇場公開からずっと気になっていた映画
『隠れビッチやってました』を観た。


口コミはわりと評価低めだったんだけど、
個人的にはぎゅんぎゅん来た。苦しくなった。



主人公のひろみ、自分を見てるみたいだった。
いやあんなにモテませんが。

強がってるけど本当は自分に自信がなくて、
自分を認められなくて、他人に認めてもらおうとする。
どこかで自分が愛されるはずがないと思ってるから、
貰った愛を疑うし、ちょっとしたことでものすごく不安になる。
やっぱり私のことなんて好きじゃないんじゃん!なんて思って癇癪を起こす。痛いほどわかるわ………




特に、買ってきてって言ったものを買ってこなかっただけで異常なほど怒るところとか共感(っていうのも変だけど)した。
そうなんだよね、些細なことなんだけどね。
「私がお願いしたことを叶えてくれなかった」っていうところだけを切り取って、自分が大切にされてないっていう風に変換しちゃうんだよね。
思い通りにいかないときに癇癪を起こすのはだいたいこの思考回路なんだろうな。




あと、ひろみが「全部受け入れてもらえるってことがこんなに温かいって知らなかった」っていうのも、ほんとーーーにわかる。
全部許してもらえることの安心感に触れると、それがなくなるのがどうしようもなく怖くなるんだよね。
だから、何度も何度も確認する。理不尽なことで怒って、それでも許してもらえるかどうかを確かめて、許してもらえたら、「まだこの幸せはなくなってない、大丈夫だ」って。




私はひろみみたいにモテないし、父親に虐待されたこともないけど、「自信がない」「自分を認められない」っていうところは一緒だったな。




自分を認められないのは、きっと両親のことが影響してる。誰も悪くないし、私はこの家に生まれて本当によかったと思ってるんだけど、子どもの頃はそう思えなかったんだよね。

ずっと負い目に感じてたし、負い目に感じてる自分のことが嫌いだった。なんでこんなに大好きなのに恥ずかしいと思ってしまうんだろうって、こんなふうに思っちゃう自分は最低だって。そういう思考が目に見えない奥の奥にずっとあったんだよね。
だから、それを補おうとして、価値のある人にならなきゃって色々やってきたし、今でも藻掻いてる。
これはそろそろ卒業したいな。



愛されるはずがないと思ってしまうのは、きっとお父さんがプリンしてることを知ったときのショックだろうな。家族が何より大好きで、どこへ行くにも家族3人おそろいのお土産を買って帰るような子だったからな。本当にショックで心がえぐられたのを覚えてる。
運悪く同時に携帯も水没してたから、腫れた目でブレーメン通りのソフトバンクショップに行ったなあ。





どんな過去やコンプレックスがあっても、やっぱり幸せに生きたいし、そのためには今のままじゃだめなんだと思う。
ひろみはきっと、許してもらったことで変われた。
でも今の私には許してくれる人はいないから
自分で自分を認めてあげるべきなんだ。




さよなら、涙目

さよなら、涙目

  • Kitri
  • J-Pop
  • ¥255


これ主題歌もいいよね。
吐息みたいな儚い声が、ひろみの脆さと重なる。
せっかく借りたし明日も見ようかな。