エロイーズ

 


楽しい日々だった。



毎週金曜の夜に落ち合って、
お酒を飲んだり、
サウナに行ったり、
カラオケしたり。


家までの道のりは、
夏はゆっくり、冬は早足で。

それからは、
「明日は休み」という勝利を掲げて
ソファでぐだくだくっついて。



起きたらドーナツを買いに行く。
お気に入りのお店に、毎週。
寒くなければ海を見に行く。
曇ってても。晴れてても。
どうってことない話をして笑う。





まちを歩く。日が暮れる。
晩ごはんの話をしながら家路につく。
手を握る。強く握り返してくれる。




夜が更けたら、温もりの中で眠る。
安心して眠る。








たしかに、楽しい時間がそこにあった。




エロイーズ

エロイーズ




楽しいだけじゃずっと一緒に居られない。
騙しだまし過ごしてきた時間は終わった。



好きだったどうかはわからないけど、
楽しかったのは本当だ。
彼のおかげで幸せな時間を過ごせたのは、
紛れもない本当のこと。





行きたい場所ぜんぶ付き合ってくれて
いつも荷物を持ってくれて
おいしいご飯を作ってくれて
話をたくさん聞いてくれて
内面も外見も褒めてくれて
好きになってくれて
ありがとうってもう言えないので、ここにしたためる。